ぽる子の週案簿

地方の公立中学校教員として生活する中で感じたこと、疑問に思ったこと、伝えたいことなどを自由に記録しています。

教員採用試験の倍率低下・・・つづき

こんにちは、ぽる子です。

前回の続きです。

eggteacher.hatenablog.com

 

教員採用試験の倍率低下は最終的にはデメリットの方が多いのですが、、、この現状をどう解消するのかが問題ですね。

 

教員の業務の精選を・・・部活動指導の是非

 中学校の教員になる上でひっかかるのはやはり部活動の顧問かと思います。

 ここ数年で部活動のあり方はかなり変わってきています。部活動指導員の配置により若干ですが顧問の負担が減っている部分もあります。まだまだ足りないのですが。

 部活動を地域に渡す形にすれば、教員の負担はかなり減ると考えられます。地域でスポーツクラブ等を指導している人や、指導してもよいと考えている人は意外といます。専門の人に教われば生徒も技能が高められてメリットが多いです。

 実際、中学校の教員は教科指導で採用されているはずですので、顧問の負担がなくなれば授業づくりに専念でき、質の良い授業ができるはずです。

 

 まあ、現場には部活動指導が生きがいになっていて授業がおろそかになる本末転倒教師がいるもの事実ですが・・・

 

教員による教員の魅力発信が必要

 「先生ってブラックですよね」と生徒が言うことがあります。教師は大変ということだけがメディア等で流布されて独り歩きしています。実際大変な面もありますが、身分や給与の保証はなかなか他の仕事にはありません。一人一人に任せられる裁量も多く、やり方によっては自分の実践の研究もできますし、成果の良し悪しを厳しく叱責されることもそうそうありません。(学校によるかも?)何より人の成長に関わることができる仕事は世の中にそう多くないと思います。良い面をアピールしてこなかった私たちにも問題はありますね。

 

 ちなみに給与は安定していますが、教員には残業手当がありません。これはまた今度話したいと思います。

 

教員採用試験の倍率低下・・・教員の質は確保できる??

 こんにちは、ぽる子です。

 今週このような記事が新聞各社にのっていました。

 

www.nikkei.com

 

 教員の仕事が大変、ブラックだ、というのはいろいろな記事で言われているので、言うまでもないですが・・・

 

 問題は倍率低下による教員の質の低下ではないでしょうか。特に小学校の採用倍率は急激に下がっています。

 

 一般に、教員採用試験の倍率低下は仕事が多忙であることにより、教員という仕事を志す学生が減っているという説明が多いですが、定年退職を迎える教員が多く、その分採用数が増えているという事情もあります。退職が多いため新規の採用を増やさなければならないが、希望者自体が少ない、という現状ですね。

 希望者が少ないため、自治体は質にこだわらずとにかく人員を確保しなければならない状態です。そうなるともちろん教員の質は下がります。競争がなくなりますから・・・

 

 適当な言い方ではありませんが、大学受験業界でいわゆる「ボーダーフリー」と言われるような大学を出て教員として教壇に立つ、ということが現実的に起きています。

 もちろん出身大学でその人の教員としての力は決まりませんし、教員になってから努力すれば問題ないと思います。しかし、新採教員の資質に問題があり、管理職、そして何より同僚にしわ寄せがきているという例が少なからず存在しますし、私自身も似たようなことを経験しています。

 

 そうすると、問題は資質を持ち合わせない教員が子どもの前に立つ、ということだけにとどまらず、周囲の教員への負担増による全体的なパフォーマンス低下、管理職の管理責任を問う問題の増加、そしてそれを見た本当に優秀な教員が管理職試験を敬遠する、という悪循環が起きます。

 実際に皆に慕われる教員ほど管理職になりません、そういう人は頭が良いので自ら危ないところに足を踏み入れないわけです・・・さらにそういう教員はなぜか教育委員会など現場を指導する立場にならないし、なれないことが多い気がします(これは個人の感想ですが・・・)

 

 

問題はこの現状を採用する側(県教育委員会等)が本当に深刻に考えているか、というところだと思うのです。

 

(次回に続く)

 

 

中学生が将来の夢を持つことの難しさ

 こんにちは。ぽる子です。今日の朝はとても冷えましたね。

 

 私が勤める県では、現在高等学校入試がスタートしています。私立高校入試、公立高校入試と続きます。

 

 入試はあくまでも自己実現のための過程に過ぎないのですが、現実的にはなかなかそう割り切れるものではありませんよね。入学する高校によってその後の人生が決まる、と言わんばかりに、生徒も保護者もナーバスになります。

 

 受験指導の際も

 「○○高校に入るには何点必要ですか?」

 「今の点数で入れる高校はどこですか?」

という質問がほとんどですし、実際に教員もそういった点について面談を行います。

 

 ですが、本当にそのような進路指導でいいのでしょうか。本来ならば、中学生なりの将来の展望や、自分の向き、不向き等の自己理解があり、それをもとに進路決定をしていくべきです。

 

 しかし中学生でそこまで考えている生徒は、公立中学校では多くないのが現状です。そして学校教育の中でも、自己理解や将来のことについて見通しを持つための指導は十分にできていません。これは教育現場の反省点です。

 

 これは言い訳になってしまいますが、学校は教科の授業を効率よく終わらせ、入試へ向けた得点力をつけることに終始せざるをえません。国学力学習状況調査等で比較されることで、管理職や教育委員会がますます目に見える学力を重視するようになっているように感じます。

 

 

 予測困難な時代であるからこそ、生徒一人一人が、将来のことや自分がどういう人間になりたいか、どんな職業に就きたいか、どんな生き方をしたいかをもっと考えられるようなキャリア教育が求められます。

 

 そのためには教員がもっと柔軟性と広い視野をもって生徒にあたることが必要ですし、教員自身が社会のことをよく知り、還元できなければならないのだと思います。

 

小学校での教科担任制の導入

小学校での教科担任制の導入

  こんにちは。ぽる子です。

 

 今日は日曜日で仕事がお休みです。休日は部活動がある事もありますが、最近は感染症予防の観点から休日部活動の回数が少なくなったり、時間が短くなっています。

 

 さて、最近文部科学省中央教育審議会から答申がありました。

www.yomiuri.co.jp

 

 ちなみに「答申」とは、文部科学大臣が教育の在り方を変えようとする時に独断で変えてしまってはまずいので、専門家や有識者に「〇〇についてどのようにお考えですか?」と投げかけます。その投げかけに対する返答が「答申」です。それを元に文部科学大臣文科省)が教育の在り方を決定することになります。(かなり適当な説明ですので正確さにかけるかも知れません・・・)

 

 「答申」自体は問いかけに対する答えでしかないのですが、専門家が何度も議論して結論づけるものですので、実際の教育行政はこれに沿った形で行われていくことになります。答申が発表されたら、教員はいち早く内容を掴む必要があるのです。

 

 

 さて、今回の答申で小学校の特に英語や理科、算数で教科担任制が提案されました。

 私は中学校の理科教員ですので、小学校の教員の方とは違う考えかもしれませんが、基本的には賛成です。

 

 小学校では英語学習がスタートしていますが、実際には英語を自信を持って教えられる教員は公立小学校には少ないのが現状です。小学校は全ての教科を学級担任が教えるシステムが基本ですので、充分に授業準備をする時間もありません。これは教員、子ども達双方にとって悪い効果を生んでいる部分があります。

 

 理科についていえば、小学校で理科を楽しい、と感じている子どもが多いにも関わらず、中学校では理科が嫌いになる生徒が多くなる傾向があります。

 様々な原因がありますが、小学校に比べ学習内容が格段にふえることや、小学校ではものづくり(電気や風で走るクルマなど)が多かったのに、中学校では仮説を立てたり、考察したりとじっくり考えなければならない場面が増えるなど、授業スタイルの違いに起因する所が大きいと思います。(現場で感じることです)

 これらのことから「中1ギャップ」のような「つまずき」につながります。

 

 そのような課題を克服する上で小学校での教科担任制の導入は意味があることです。特に高学年に導入することで小中接続がスムーズに進み、子ども達も中学校のスタイルに少しずつ慣れていく事ができます。

 

 

 合わせて小学校と中学校を教員が行き来できるようなシステムをつくっていくことも将来的には必要ですね。中学校の教師が小学校でも教える、というような感じです。自治体レベルでは工夫次第で実現しているところもあるようですが、まだまだ進んでいないように感じます。

 

 

 ・・・ということで教科担任制については今後の動向に注目ですね!

 

 

 

ブログを始めようと思ったきっかけ

自己紹介

 こんにちは。

 ぽる子といいます。いつもは地方の公立中学校で教員として働いています。

 

 このブログでは教員として生活するなかで日々感じている事、感動したこと、疑問に思ったこと、もっとこうしたらいいんじゃないかと思うこと、役に立ちそうなこと、教育時事、社会の動きで気になったこと、最近読んだ本のことなど、様々な事を書いていこうと思います。

 

 

ブログを始めようと思ったきっかけ

 

 教員として働き生活し、同僚の教員、生徒、保護者と関わるなかで様々な事を感じたり、考えたりします。

 

 ですが一般的に言われるように教員は多忙です。いろんな事が頭に浮かんでは消え、浮かんでは消え・・・

 

 

 そこで考えた事を備忘録として記録し、そしてさまざまな人に見てもらうことで、さらに考えを深められたら・・・と思い始める事にしました。

 

 

 教育関係者の人はもちろんのこと、子どもを持つ親の方、教育に興味のある方、教員を志す学生の方など多くの人と考えを共有出来たらと思います。

 

 

 どのくらい更新出来るかは分かりませんが、よろしくおねがいします。