ぽる子の週案簿

地方の公立中学校教員として生活する中で感じたこと、疑問に思ったこと、伝えたいことなどを自由に記録しています。

小学校での教科担任制の導入

小学校での教科担任制の導入

  こんにちは。ぽる子です。

 

 今日は日曜日で仕事がお休みです。休日は部活動がある事もありますが、最近は感染症予防の観点から休日部活動の回数が少なくなったり、時間が短くなっています。

 

 さて、最近文部科学省中央教育審議会から答申がありました。

www.yomiuri.co.jp

 

 ちなみに「答申」とは、文部科学大臣が教育の在り方を変えようとする時に独断で変えてしまってはまずいので、専門家や有識者に「〇〇についてどのようにお考えですか?」と投げかけます。その投げかけに対する返答が「答申」です。それを元に文部科学大臣文科省)が教育の在り方を決定することになります。(かなり適当な説明ですので正確さにかけるかも知れません・・・)

 

 「答申」自体は問いかけに対する答えでしかないのですが、専門家が何度も議論して結論づけるものですので、実際の教育行政はこれに沿った形で行われていくことになります。答申が発表されたら、教員はいち早く内容を掴む必要があるのです。

 

 

 さて、今回の答申で小学校の特に英語や理科、算数で教科担任制が提案されました。

 私は中学校の理科教員ですので、小学校の教員の方とは違う考えかもしれませんが、基本的には賛成です。

 

 小学校では英語学習がスタートしていますが、実際には英語を自信を持って教えられる教員は公立小学校には少ないのが現状です。小学校は全ての教科を学級担任が教えるシステムが基本ですので、充分に授業準備をする時間もありません。これは教員、子ども達双方にとって悪い効果を生んでいる部分があります。

 

 理科についていえば、小学校で理科を楽しい、と感じている子どもが多いにも関わらず、中学校では理科が嫌いになる生徒が多くなる傾向があります。

 様々な原因がありますが、小学校に比べ学習内容が格段にふえることや、小学校ではものづくり(電気や風で走るクルマなど)が多かったのに、中学校では仮説を立てたり、考察したりとじっくり考えなければならない場面が増えるなど、授業スタイルの違いに起因する所が大きいと思います。(現場で感じることです)

 これらのことから「中1ギャップ」のような「つまずき」につながります。

 

 そのような課題を克服する上で小学校での教科担任制の導入は意味があることです。特に高学年に導入することで小中接続がスムーズに進み、子ども達も中学校のスタイルに少しずつ慣れていく事ができます。

 

 

 合わせて小学校と中学校を教員が行き来できるようなシステムをつくっていくことも将来的には必要ですね。中学校の教師が小学校でも教える、というような感じです。自治体レベルでは工夫次第で実現しているところもあるようですが、まだまだ進んでいないように感じます。

 

 

 ・・・ということで教科担任制については今後の動向に注目ですね!